仮装経理による架空資産
赤字を回避する方法は
① 売掛金を増加させる方法
② 期末棚卸商品を増加させる方法の
2種類だけです。
決算書に与える影響
① 売掛金を増加させる方法
の場合は 売掛金が当然 増加します。
売掛金が不自然に増加すると 売掛金を減少させるために
現金に振替えたり 役員貸付金に振替えたりして
毎年 B/Sのバランスが崩れて行きます。
② 期末棚卸商品を増加させる方法
B/S の 商品が増加していきます。
仮装経理の発見
仮装経理毎年続けていくと銀行などから指摘されます。
① 売掛債権回転月数 の変化
例
年商が 1200で 売掛金の回収が2月後なら 正常な売掛金は
一月の売上が100 平均なら 決算書の売掛金は 月商の2倍の
200 なります。
売掛債権回転期間は 200/1200÷12月 なので 2ヶ月です。
② 赤字決算を粉飾するため 50円 仮装しますと
売上が1250 期末売掛金が 250に増加しますので
250/1250÷12月なので 2.4ヶ月となります。
年商1億2千万円の会社が500万円仮装する結果こうなります。
しかし 回転期間が 2月→2.4月に変化させると
見つかる可能性もありますが 現金や役員貸付金になるので
通常は見つかることはありません。
③ 2年連続 500の売上を粉飾すると
回転率や現金残高 役員貸付金などが 以上に増加するので
おかしいことに気がつきまじめます。
③ 3年 連続 粉飾すると 銀行は 粉飾決算を確実に見破ってきます。
売掛金の残が多くなり 架空の現金残高があり 役員貸付金も多額に
なります。
④ 粉飾決算が見つかるのは 粉飾を3期連続で続けている場合などですが
信用金庫などの中小企業の融資担当者も 信用保証協会の枠がのこっている間は
貸付け金を増やします。
その代わりに 貸付金の保全を図るために 第3者の保証人を要求したり
不動産の担保設定など 行い始めます。
役員貸付金
経営の悪い会社ほど 役員貸付金が多額にあります。
粉飾決算で 売掛金が 役員貸付金に振替えられたり
赤字を解消させる方法で 販売費及び一般管理費を
除外させることでも 役員貸付金がふえます。
決算でのつじつま合わせの勘定の性格がありますので
銀行などは 役員貸付金を嫌います。
逆に言えば 黒字の会社でも役員貸付金があると
悪い会社と判断されることになります。
役員貸付け金の残が多ければ 早めに 税理士などに
相談して 減らす努力をしないといけません。
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2012年10月3日 | コメントは受け付けていません。 |
カテゴリー:自社の会計チェック